産廃Q&A

Q1廃棄物の定義


Q 1-1建設副産物とは?

A1-1 建設副産物とは、「資源の有効な利用の促進に関する法律」(通称;リサイクル法)の制定により生まれた用語で、建設工事に伴い副次的に得られた全ての物品をいう。その構成は、工事現場外に搬される土砂(建設発生土)と「廃棄物処理法」に規定する廃棄物のうち建設から出る廃棄物(建設廃棄物)からなる。

Q 1-2廃棄物とは?

A 1-2 廃棄物とは、自ら利用したり他人に有償で売却できないために不要となったもの(無価物)で、法律ではごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形又は液状のものと定められている。よって、有価物は廃棄物とはならず「廃棄物処理法」の適用を受けないことになる。

Q 1-3建設廃棄物とは?

A 1-3 コンクリートがら、アスファルトがら、ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くず、廃プラスチック類、金属くず、ゴムくず、建設汚泥、建設発生木材、紙くず、繊維くず、廃油、燃え殻又はこれらのものが混合したものをいう。

Q 1-4浚渫土砂

港湾の浚渫土砂を天日乾燥後、埋立て処分しているが法的に問題ないか。

A 1-4 港湾、河川、池等の浚渫に伴って生ずる土砂は、廃棄物処理法の対象外なので、生活環境保全上支障がなければ問題ない。

Q 1-5固化材使用の土砂

作業性を考慮して地盤改良(セメント系か石灰系固化材を使用)した土砂を、掘削残土として場外搬出し、埋戻しに利用した場合、廃棄物処理法の適用を受けるか。

A 1-5汚泥に該当しない土砂を、性状改善のため固化材等による処理を行っても土砂である。したがって、産業廃棄物に該当しないので、廃棄物処理法の適用は受けないが、埋戻しに際しPH等地下水汚染への影響に配慮すべきとされる。

Q 1-6ベントナイト廃泥水

ベントナイト廃泥水を脱水等の中間処理をした不要物は産業廃棄物か。

A 1-6不要となったベントナイト廃泥水は産業廃棄物の「汚泥」であり、脱水等の処理をした後の不要物についても汚泥に該当する。また、ベントナイト廃泥水を乾燥しても、土砂を混合しても同様である。

地下鉄工事等の建設工事に係る掘削工事に伴って排出されるもののうち、含水率が高く粒子が微細な泥状のものは、無機性汚泥(以下、「建設汚泥」という。)として取り扱う。また、粒子が直径74 ミクロンを越える粒子をおおむね95%以上含む掘削物にあっては、容易に水分を除去できるので、ずり分離等を行って泥状の状態ではなく流動性を呈さなくなったものであって、かつ、生活環境の保全上支障のないものは土砂として扱うことができる。

泥状の状態とは、標準仕様ダンプトラックに山積みができず、また、その上を人が歩けない状態をいい、この状態を土の強度を示す指標でいえば、コーン指数がおおむね200kN/㎡以下又は一軸圧縮強度がおおむね50kN/㎡以下である。しかし、掘削物を標準仕様ダンプトラックに積み込んだ時には泥状を呈していない掘削物であっても、運搬中の繰り返しにより泥状を呈するものもあるので、これらの掘削物は「汚泥」として取り扱う必要がある。

Q 1-7線路の敷砂利

鉄道の線路に敷いてある砂利を除去したものは産業廃棄物か。

A 1-7 これを不要物として排出する場合は、産業廃棄物の「がれき類」に該当する。

Q 1-8線路の敷砂利運搬

Q1-7の砂利を他の工事現場で仮設道路の路盤材として利用するため運搬する場合、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要か。

A 1-8砂利を除去した者が(運搬費も含めて)売却したものであれば、廃棄物に該当しないので許可は不要になるが、無償または処分費を支払うのであれば産業廃棄物となり、他人の産業廃棄物を運搬する場合は、がれき類の収集運搬業許可を有する必要がある。

Q 1-9生コン残滓

コンクリートミキサー車から発生する生コンの残滓は、産業廃棄物の何に分類されるか。

A 1-9 不要になった時点で、泥状を呈していれば「汚泥」に該当する。

なお、次に掲げるコンクリート系の廃棄物は、「がれき類」として取り扱われる。

・SMW構造物の“はつりがら”。

・工作物の新築、改築工事等にあたって、工事に使用するアスファルトやコンクリートの強度試験等を工事現場で実施した際に供試体とされたもの(テストピース)が廃棄物となったもの。

・コンクリート製品のうち工事現場で余分となったため不要となったり、現場に搬送途中に破損等していたために工事現場において廃棄物となったもの。

・工事に使用するコンクリート製品(テトラブロック等の消波ブロック等)を工事現場で事業者が自ら製造するなどした際に生じるコンクリート系の廃棄物。

ただし、生コン製造工場(コンクリート製品の製造工場も含む)で発生したコンクリート系廃棄物は「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」に分類される。

また、現場までコンクリートミキサー車で運搬してきた生コンが何らかの都合で返した場合、商習慣上の返品行為にあたるため、返品する生コンは製品ととらえ、廃棄物に該当しないことからコンクリートミキサー車に廃棄物処理法上の収集運搬業許可は不要。シュートの洗浄水を当該コンクリートミキサー車でプラントへ持帰る行為は、車の維持管理から発生した廃棄物を自ら運搬するのであるから収集運搬業許可は不要。

Q 1-10削孔くり粉

削岩機を使用して、注水しながら削孔して発生した“くり粉”と水の混合物(含水率95%)は汚泥か。

A 1-10 産業廃棄物の「汚泥」である。

Q 1-11再生砕石の掘削

コンクリートがらの再生砕石で埋められた場所を掘削したものは残土か。

A 1-11 不要になれば産業廃棄物の「がれき類」として処分する必要があるが、できるだけ再利用を図るなど、廃棄物の排出抑制に努めることとされている。

Q 1-12路盤材

道路改良工事から発生する上層及び下層の路盤材(砕石と粒調鉱さいあり)は産業廃棄物か。

A 1-12 不要になれば、産業廃棄物の「がれき類」に該当する。

Q 1-13アスコンがら等

アスファルト・コンクリートがらとアスファルト合材は同分類か。

A 1-13 工作物の除去等に伴って発生したアスファルト・コンクリートがらは、産業廃棄物の「がれき類」となるが、アスファルト合材は「廃油」と「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」の混合物となる。なお、アスファルトのみは「廃油」である。

Q 1-14練石積み

練石積みの処理はどのようにしたら良いか。

A 1-14 これを不要物として排出する場合は、工作物の除去に伴い排出された産業廃棄物の「がれき類」となる。

Q 1-15[廃 油]

不要になった廃油が産業廃棄物か特別管理産業廃棄物であるかは、どのような基準で判断するのか。

A1-15 揮発油類、灯油類、軽油類の廃油は特別管理産業廃棄物である。

廃油のうち特別管理産業廃棄物とすべき判断基準は、引火点が概ね70℃未満のものとされている。また、トリクロロエチレンなどの廃溶剤も特別管理産業廃棄物である。

 

Q 1-16[塗料の空き缶]

塗料の空き缶は、どのように処分するのか。

A 1-16 塗料の空き缶等の廃容器については、有害物質又は有機性物質が混入又は付着している場合、「安定型処分場」への処分は禁止されている。しかし、有害物質等の混入又は付着がなく、空き缶の廃塗料が固形状であれば、「金属くず」と「廃プラスチック類」の混合物となり、「安定型処分場」で処分できる。

次に、空き缶の廃塗料が液状の場合は「金属くず」と「廃プラスチック類」と「廃油」の混合物であり、塗料以外の不純物が混合して泥状になっている場合は「金属くず」と「汚泥」と「廃油(油分を5%以上含むとき)」の混合物であるが、いずれの場合も、有害物質等の混入又は付着がないように分別して処分する必要がある。

 

Q 1-17[軽 油]

不要になった軽油を再利用するため買い取りたいと言う者に有用物として売却した場合でも、この軽油は特別管理産業廃棄物に該当するのか。

A 1-17 有用物として他人に有償売却(運搬費用を含んで)できるものは廃棄物に該当しない。

 

Q 1-18[断熱材]

内装工事に伴って発生する廃断熱材は、産業廃棄物の何に分類されるか。

A 1-18 その組成がロックウール又はガラスウールであれば「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」である。また、発泡スチロール系又はこれに類するものであれば「廃プラスチック類」になる。

 

Q 1-19[伐採木]

伐採木が、一般廃棄物か産業廃棄物かの判断区分は、具体的にどのようになっているか。

A 1-19 道路、ゴルフ場、建築構造物等の工作物の新築、改築又は除去のために伐採された木であれば、産業廃棄物である。

公園の樹木、街路樹及び植林等の維持管理のために伐採された木は、一般廃棄物である。なお、宅地等工作物の建設のための造成ではなく、単なる土地造成のために伐採された木は一般廃棄物に区分される。